【覚書】状況論
①状況とは何か
「状況」という概念を論じる理由
ここで主題とするのは「状況」という概念についてです。
「状況」という言葉の意味を辞書で調べるとその意味が掲載されています。
実際にweb上で大辞林(三省堂)を調べると以下のような意味が掲載されています。
「時とともに変化する物事の、その時、その時のありさま、ようす。」
「状況」という言葉を使用する場合、このような意味を念頭において使うと十分に伝わるのではないでしょうか。
ここではこの「状況」という概念についてもう少し込み入った問題に立ち入りたいと考えています。
私の目的はできる限りこの概念とそれに関連する事柄を「明確」にすることです。
「明確にする」とは、実際に目に見えるような、視覚に訴えるような形に近づけることを念頭に置いています。
視覚に訴えるような形とは、⑴情景的に描く方法、⑵図式的に描く方法があると思います。
このように考えた場合、特に図式的に描写していくという形がメインになるでしょう。
さて、「状況」という言葉を辞書で調べた時、私たちは状況というものを頭の中でぼんやりと思い描くことができると思います。
しかし、状況というものを考える時、一つの重要な要素を付け加えて考える必要があると私は思います。
それは状況を認識する「ヒト」という存在です。
一般的に「ヒト」を表現する言葉は幾つかあります。
ヒト、人間、人民、国民など言葉の意味の微妙な違いによって使い分けがされています。
ここでは「ヒト」の様々な「状況」に際して物事を「見て」「感じて」「考えて」「決めて」「行う」存在という点に重点を置きます。
「ヒト」という言葉は、生物学などにおいてその分類された一つの種を指す場合にも使用されます。
ここでは人間一人ひとりを一つの単体として捉えて考えていくために「プレイヤー」という概念を持ち込みます。
「状況」と「プレイヤー」という二つの概念を中心に考えていきたいと思います。
「状況」と「錯覚」/日常において念頭に置かれないということ
「自己からの疎外」と「状況からの疎外」
⑴各プレイヤーが想定している状況
⒈各プレイヤーの認識における状況の差
⒉各プレイヤーの目的の差
⑵各プレイヤーにおける理性に関して
⒈各プレイヤーの戦略の基盤
身体からの影響――感情と理性
プレイヤーの身体的な特徴
理性における論理および言語の特徴
⒉各プレイヤーの自己鍛錬および弱い意志と誘惑
戦略上の様々な誘惑
狂信と虚無
⑶各プレイヤーが想定している状況への適応と対応
⑷各プレイヤーの後天的相互関係――社会における人
⒈各プレイヤーにバックグラウンドがないものとして想定された戦略論
状況設定
設定によって理想化された状況上での戦略
⒉無視されるバックグラウンド
戦略上の状況認識の限界
⑸各プレイヤーの先天的相互関係――家族および民族
⒈各プレイヤーの家族的状況
⒉各プレイヤーの民族的状況
⑹各プレイヤーの戦略が他プレイヤーに及ぼす影響
各プレイヤーが他のプレイヤーと関わるということ
介在する貨幣とマネーの概念
⒈戦略の均衡――限定状況におけるプレイヤーの最善の戦略
⒉戦略の非対称性――各プレイヤーの戦略が生み出す流体的力学
⑺各プレイヤーの身体とその環境
専門性からみる願望や目的
創造論と物理学(最も遠い近親者)
生物学と心理学、文学(公正と公平の地平)
経済学、経営学、政治学、工学(象徴への誘惑)
⒈創造論・インテリジェントデザイン・ビッグバン理論
⒉身体の生成(マクロ進化および個人的成長)
⒊非自由意志論からの考察
⒋システム1とシステム2
⒌自然の定義が戦略や目的、ルールに及ぼす影響
⒍当然のことと自然であることの対比
⑻各プレイヤーに課せられたルール(司法的側面と立法的側面および慣習)
⑼抽象的な状況論から具体的状況へ向けて