日常風景のなかで

日々の生活のなかで思ったことをつらつらと調べながら書きつづります

【資料】行動心理学――用語集①

ここでは行動心理学についてまとめたいと思います。

 

 

倫理学は、われわれが熟慮的意図の下に採択する用意のある行為の目的とはどんなものであるかについての研究である。」(C・S・パース)

 

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ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』

 

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

 

ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

登場するキャラクター

次の用語は心理学者キース・スタノビッチとリチャード・ウェストが提案した概念です。

システム1システム2

システム1・・・自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。

  • 二つの物体のどちらが遠くにあるかを見て取る。
  • 突然聞こえた音の方向を感知する。
  • おぞましい写真を見せられて顔をしかめる。
  • 声を聞いて敵意を感じ取る。
  • 2+2の答えを言う。
  • 大きな看板に書かれた言葉を読む。
  • 空いた道路で車を運転する。
  • チェスでうまい差し手を思いつく(あなたがチェスの名人だとする)。
  • 簡単な文章を理解する。
  • 「几帳面でもの静かでこまかいことにこだわる」性格はある職業のステレオタイプに似ていると感じる。

 

システム2・・・複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。システム2の働きは、代理、選択、集中などの主観的経験と関連付けられることが多い。

  • レースでスタートの合図に備える。
  • サーカスの道化師に注意を集中する。
  • 人が大勢いるうるさい部屋の中で、特定の人物の声に耳を澄ます。
  • 白髪の女性を探す。
  • 意外な音を聞いて、何の音か記憶をたどる。
  • 歩く速度をいつもより速いペースに保つ。
  • ある社交的な場で自分のふるまいが適切かどうか、自分で自分を監視する。
  • あるページにaの文字が何回出てくるか数える。
  • 自分の電話番号を誰かに教える。
  • 狭いスペースに車を停める(あなたは腕利きの駐車係ではないとする)。
  • 二種類の洗濯機を総合的に比較する。
  • 納税申告書を記述する。
  • 複雑な論旨の妥当性を確認する。

怠け者のコントローラー

自我消耗(ego depletion)・・・何かを無理矢理がんばってこなした後で、次の難題が降りかかってきたとき、あなたはセルフコントロールをしたくなくなるか、うまくできなくなる。

セルフコントロールを消耗させる状況やタスクは、いまではさまざまなものが知られている。そのどれにも、人間の自然の欲求やニーズと対立するか、それらを克服しなければならないという共通点がある。たとえば、次のようなものである。

  • 考えたくないのに無理に考える。
  • 感動的な映画を観ているのに感情的な反応を抑える。
  • 相反する一連の選択を行う。
  • 他人に強い印象を与えようとする。
  • 妻(または夫)や恋人の失礼なふるまいに寛容に応じる。
  • 人種の異なる人と付き合う(差別的偏見を持っている人の場合)。

消耗を示す兆候も、多種多様である。

  • ダイエットをやめてしまう。
  • 衝動買いに走る。
  • 挑発に過剰反応する。
  • 力のいる仕事をすぐに投げ出す。
  • 認知的タスクや論理的な意思決定でお粗末な判断を下す。

 

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連想マシン

ライミング効果(priming effect)・・・1980年代になると、ある単語に接したときには、その関連語が想起されやすくなるという明らかな変化が認められることがわかった。たとえば、「食べる」という単語を見たり聞いたりした後は、単語の穴埋め問題で”SO⊡P”と出されたときに、”SOAP”より”SOUP”と答える確率が高まる。言うまでもなく、この逆も起こりうる。たとえば「洗う」という単語を見た後は、SOAPと答える確率が高まる。「食べる」はSOUPのプライム(先行刺激)、「洗う」はSOAPのプライムであるという。

認知容易性

認知容易性(cognitive ease)・・・重要な変数の現在値を示す計器がずらっと並んだコックピットを考えるとよいだろう。数値の評価はシステム1が自動的に行う。システム2の応援が必要かどうかを決めるのもシステム1の役割である。針が「容易」のほうに寄っていれば、ものごとはうまくいっていると考えてよい。何も危険な兆候はなく、重大なニュースもなく、新たに注意を向けたり努力を投入したりする必要はない。一方、「負担」のほうに寄っていれば問題が発生しており、システム2の応援が必要になる。認知負担は、その時点での努力の度合いや満たされていない要求の度合いに影響される。驚くのは、認知容易性を計測することたった一つの計器がさまざまなインプットとアウトプットを結ぶ大規模なネットワークに接続していることである。

 

 繰り返される経験 見やすい表示 プライムのあったアイデア 機嫌がいい

               

             認知容易性

               

 親しみを感じる 信頼できる 快く感じる 楽だと感じる