日常風景のなかで

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【資料】冥王代

 冥王代について

 

 

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ここでは冥王代についての資料をまとめたいと思います。

冥王代(めいおうだい、英: Hadean eon)とは、地質時代の分類のひとつ。地球誕生〜40億年前の5億年間を指す。始生代の前の時代である。この時代に地球が形成され、地殻と海ができ、有機化合物の化学進化の結果、最初の生命が誕生したと考えられている。
化石以前に、岩石自体が非常に希であり、地質学的証拠がほとんどない時代である。この時代の地層はないため、国際層序委員会ではこの名称を非公式として扱っている。実態が闇に包まれていることからギリシャ神話の冥界の王ハデス(Hades)に因んで名付けられた。

 

冥王代とは地質時代の分類の一つで地質時代の一番最初の時代になります。これ以前の地球の歴史は地質学からは考察しようがないということになります。冥王代初期のは月の誕生の仮説と関連立てて考察されているものが殆どです。

 

月がどのような経緯で誕生したのかは、様々な仮説が存在したようです。幾つかその例を挙げてみましょう。

 

一つ目が分裂説と呼ばれるものです。これはチャールズ・ダーウィンの息子ジョージ・ハワードダーウィンによって提唱された仮説です。初期の地球は今の地球とは異なり、地殻が確固としたものではありません。そして地球は今よりもずっと早いスピードで自転していたと考えられています。この自転により慣性の力が働き、引き伸ばされることによって月が分裂したというものです。

 

二つ目が捕獲説と呼ばれるものです。地球と月とではその体積当たりの質量が異なります。地球と類似する軌道を回っていた微惑星である月が地球の重力によって、地球の円軌道に巻き込まれたというものです。

 

三つ目が共成長説あるいは双子説と呼ばれるものです。月も地球も現在と同じ位置にあり、それぞれが塵や破片からなる大きな雲からともに成長してきたというものです。

 

アポロから持ち帰った土を調べた結果、これらの仮説にはそれぞれに困難となる物証が提出されています。

 

そんな中、1970年代の半ばに、別の新しい仮説が生み出されました。それがジャイアント・インパクト説です。ジャイアント・インパクト説にも諸説あるようですが、次のようなシナリオで語られています。今から45億年ほど前、地球の公転軌道には原始地球の他に、別の惑星が競合相手として存在していました。その惑星は火星の質量の2倍から3倍、地球の1/3程度の大きさのものです。この惑星は、月を産んだとされるギリシア神話の女神の名前をとってテイアと名付けられています。様々なシミュレーションがされているようですが、原始地球とこのテイアが衝突したことによって地球から分離する形で月が生まれたと考えられているようです。

 

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現在の地球が23.4°傾いているのは、この時の衝撃によるものだと考えられています。地球の自転軸の傾きを説明する意味でもジャイアント・インパクト説には説得力があります。

 

最初期の地球と月の距離は24,000㎞、現在の地球と月の距離は380,000㎞ですので、如何に近かったのかが解ります。地上から月を見た場合、月の大きさは直径で今の16倍、面積でいうと250倍にもなると考えられています。

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地球は現在、24時間かけて一回転しており、月はその周りを29日で公転しています。しかし冥王代初期の地球では、地球は5時間で一回転、月はその周りを84時間で公転しているというとてつもない世界です。地球の公転速度は今とほとんど同じです。因みに4億年前のデボン紀で一日は22時間、9億年前で18.9時間であることが様々な物証により確かめられています。

 

テイアの衝突をもって地球における地殻をすべて破壊し尽すほどの巨大な衝突は最後となります。この時代からいわゆる地層が形成されていくことになり、地質学的に地球を解明できることになります。冥王代の地層はそれほど多く発見されてはいませんが、それでもその存在は確かめられています。また月における地質もこの時代のものが残っており、研究の対象となっているようです。

 

ジャイアント・インパクトから1億年後には、地球は深さ数キロに及ぶ海で覆われるようになったと考えられています。当時の海は宇宙から見た場合、群青色をしていたのではないかとも言われています。この時代のことはまだまだはっきりしないところがありますので、もしかするとこれから新しい仮説によって覆される有力な仮説もでてくるかもしれませんけれど、このわずか1億年という時間で海に覆われた地球が出来ているというのは驚くべきものかもしれません。当時は今でいう大陸は存在しません。ところどころに黒い玄武岩でできた火山があるだけでした。

 

生命が地質年代のどの時代から存在していたのかはわかりませんが、一般的には生命は40億年前に誕生したと言われています。ジャイアント・インパクトの5億年後、そして始生代に入ると同時にということになるのでしょう。生命が生まれた時代を一区切りとして始生代という言葉が生まれたのでしょうけれど、恐らく厳密には解っていない部分も多いと思います。

 

現代においても地球上において様々な異常気象や天変地異が時としておこりますが、冥王代は現代とは比較にならないほど、ヒトの進化適応環境の観点からみようとも、みまいとも、恐ろしいまでに荒れ狂っていた時代だと思います。もしかすると、その一つ一つの激しい活動が、今生きている私たちの生に直結しているものがあるのかもしれません。