ブラックボックスとオープンシステム
ヒトとは何かという事について、今までに多くの解釈がなされてきたと思います。
言葉によって簡単にこの問いに答えようとするならば、「ヒトとはAである。」という表現になるのではないでしょうか。またこの「ヒトとはAである。」という表現が適切ではないと見做したとして、それでも実際に私たちが見慣れている表現は、この表現に少し付け加えたような表現といってもそれほど言い過ぎではないのではないかとも思います。
この点を考える上でヒトとは違う何かと見比べることによって、「ヒト」とは何かという表現に取り掛かることを試みようと思います。
ヒトと比較するのに非常に簡単な道具として「ボックス」をイメージしてもらいたいと思います。
何故私は「ボックス」を例に挙げようと考えたのかといえば、「ボックス」が図式的な対象となりえると思えるからです。
例えばヒトが文章を読み込むという作業は「ボックス」の中に文章を入れることとは異なります。しかしながら、この対比によって私たちが現に「ボックス」の中に文章を入れるような感覚で「読み込む」という現象を捉えているかのような単純化された認識が、場合によっては行われています。
ブラックボックスとオープンシステム
霧の中のヒトの頭の中と身体と環境