【編集】自然的な妥当性の二重基準
【試論】自然的な妥当性の二重基準
現代を考える
1 自然かつ適正な適応環境の二面性
ティンバーゲンの四つのなぜ
自然および進化の一義的な意味と二義的な意味の定義づけ
1-1 進化適応環境――マクロ進化における最適化
地球史および生命史に基づく人類の最適な条件
進化適応環境という基準
ジャン=ジャック・ルソーの洞察
1-1-1
自然的な妥当性の一義的な自然の意味
人類が動物における例外としての存在と見做される自然観の根源
1-1-2
対捕食者適応と防衛機制
種々の動植物の防衛のメカニズムと心理学に基づく防衛機制
マクロ進化の観点に基づく人類の防衛機制の発生のメカニズム
1-1-3
粗野な文化と防衛機制の最適条件
突発的な環境の変化と安定的な環境の下
文明化におけるミームの大量生成以前の世界
1-1-4
一義的な意味での自然的妥当性と理想郷
暴力や抑圧からの服従と闘争
個体において危険な世界と危険な平衡を保った世界――進化適応環境
――野蛮な安定的な社会へ
1-2 現在への最適化――社会における最適化
マキアヴェリ的な知的活動の最適化の条件
1-2-1
自然的な妥当性の二義的な自然の意味
1-2-2
防衛機制と権謀術数
システム1およびシステム2における評価機能
――記憶と想像の機能、法と道徳
自分に対する評価
他者に対する評価
社会に対する評価
人類における評価機能の二義的な意味での進化――ミームの生成
直感的な理由づけと他者との不一致
1-2-3
二義的な意味の自然的な妥当性への懐疑――マルクス主義の出現
1-2-3-1
平等主義にみられる一義的な意味での自然的妥当性の幻想
フランス革命の意味と反フランス革命の意味
エドマンド・バークの洞察
マルクス主義が批判した抑圧のマルクス主義における抑圧
暴力や抑圧との向き合い方――近代保守主義と道徳――評価機能の検討
1-2-4
二義的な意味での自然的妥当性と理想郷
権謀術数が渦巻く二義的な意味での自然な社会
一義的な意味での自然な社会との不調和
トクヴィルが洞察した多数者の専制
――理知的な不安定な社会へ
1-3 中間領域としての歴史派と実証派
1-3-1
古典的な自然法理論との決別――歴史学派と実証主義
曖昧な古典的な自然法理論とその曖昧な適用としてのフランス人権宣言
近代国家の思想的基盤の一つであるフランス人権宣言
歴史が総括されていない現状の中で
1-3-2
法実証主義の曖昧な前提条件と曖昧な社会目的
ハーバート・L・A・ハートによる曖昧な提示
1-3-3
歴史主義と古典的な自然法理論の対立――神学との一義的な決別
1-3-4
法実証主義と分析哲学――法の支配と認識論的アナーキズム
日常言語学派と法実証主義
K・ポパーの哲学――科学的な方法論
P・ファイヤアーベントの哲学――方法論への挑戦
1-4 古典的な自然法理論と現代的な自然科学の検討
1-4-1
自然状態という幻想
共同幻想との格闘――言語的同一性の集団の中で――国家という単位
1-4-2
歴史主義と法実証主義の沈黙
古典的自然法理論との決別と妥当性の喪失
1-4-3
安定的かつ理知的な社会は実現可能なのかという問い
安定的かつ理知的な社会を目指すということとニヒリズム
無意味性のアラートと退廃主義および急進主義
私たちの評価機能の現状――道徳と法理論の再検討
無意味性のアラートが鳴り響く虚無感のなかでの人格形成論
出会ったふたりの会話と微笑みの意義