【資料】カンブリア紀
ここでは、カンブリア紀について幾つかの資料をまとめたいと思います。
カンブリア紀(カンブリアき、寒武紀、英: Cambrian period)は地質時代、古生代前期における区分の一つで、約5億4200万年前から約4億8830万年前までとされる。この時代の岩石が出土し研究された最初の地であるウェールズのラテン語名「カンブリア」から、アダム・セジウィックによって命名された。
カンブリア紀以前、先カンブリア紀の生物は単細胞生物から進化した比較的単純な多細胞生物が生きていた時代とされています。厳密に言えば、まだまだカンブリア紀周辺の時代における科学的資料は他の更に新しい時代よりも十分なものではなく、これからも仮説は書き換えられていくかもしれません。それはともかく、大雑把な時間の表現でいうならば、今から5億年くらい前のこのカンブリア紀にいわゆるカンブリア爆発という現象がおこりました。
それまで生物の進化は非常に緩やかに進行していきましたが、このカンブリア紀に生物は急激な進化を遂げます。カンブリア紀はそれ以前の時代と比較すると、非常に多種多様に生物が出現し、絶滅していった時代です。その原因には幾つかの仮説がありますが、その中で注目されているのが、古生物学者アンドリュー・パーカーの光スイッチ説です。
- 作者: アンドリュー・パーカー,渡辺政隆,今西康子
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光スイッチ説というのは、原始的な光受容体が、例えば軟体動物や節足動物の先祖にあたる生物や、脊椎動物などの先祖にあたる生物がそれぞれ独自に複雑な眼を発達させることが軍拡化に繋がった、つまり複雑な進化を加速させたというものだと思います。
私たちが動物と表現するときどのような生き物をイメージするでしょうか。その主なものは植物とは異なり活発に行動し、肉眼ではっきりと認識できる多細胞生物というものではないでしょうか。そういった生き物がこの時代に爆発的に生まれ、そしてまた消えていきました。
この時代の覇者としてよく名前を聞く生き物にアノマロカリスがいます。この時代に繁栄したのが三葉虫です。この時代には脊椎動物の先祖に最も近いとされているピカイアがいます。
カンブリア紀の生物の化石が発掘される地域で有名なのはカナダのブリティッシュコロンビア州のロッキー山脈にある地域で、この地層をバージェス頁岩といいます。頁岩というのは、岩を叩くと本における紙のように薄く剥がれることに由来しています。頁はページの意味です。下の地図でみるとカンブリア紀における位置づけがわかると思います。現在は山脈ですが、当時は小さな大陸の近海だったようです。
生命誕生40億年、今から約4億年前のデボン紀に脊椎動物が陸にあがるまでの間、私たちの先祖にあたる生き物は海の中にいました。私たち人類も母親の子宮の中で、陸に上がる以前の記憶を辿りながら成長します。自然法という概念を考える上で、頭の片隅にこのような軌跡をイメージすることに、私は何らかの可能性があるのではないかと考えています。